#1 北口広場/ベンチ(きたぐちひろば/べんち)
「こっちは北口だ。俺達の待ち合わせの場所だな!」
「南口は人が多いけど、こっちは…あんまりいないんだね」
「人がいないとか言うなよ!
落ち着いてるって言うんだ、落ち着いてるって!」
「いや、だからゆっくりできていいよねって言おうとしたのに!?」
「おおっと早とちりしちまった!さっすがァ、よく分かってるゥ!」
「ものっすごい不自然に取りつくろわれた…!」
「しかし、この場所は重要だぞ。今後本格的な調査をする上で、
ここが俺達にとっていわゆる…"いつもの場所"になる訳だ」
「な、何でそんな暗号みたいな雰囲気に…」
「つまり俺が『…今日、例の場所で』と囁いたら、迷わずここに
集合だ!」
「そんなシリアスなやり取りをする予定は全くないような…!?」
「そりゃあもう、ない!」
「やっぱりなかった!」
「それから、…ほら、北口からはアレが見える!」
「ああ、天羽さんの通ってる大学?」
「そう!農大だ!
ジェイ君は自然、そして動物を愛する好青年だからな!」
「動物が本当に大好きで、獣医さんを目指してるんだよね」
「だからジェイ君はいつも白衣を着てて、そして…こう…
汚れているワケだ!」
「……」
「…………」
「…うん、汚れているのは…多分別の理由じゃないかな…」
「…まあ、汚れているのは…隣の広場辺りに理由があるかもな…」
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